帯17号 2024年5月1日発行
蠟梅や透きとほるものなべて好き きくよ
冬終る節分の豆踏みつぶし 彼岸太
73人の作品掲載。
帯8号 峻帯抄 2022年2月1日発行
銀帯集同人作品より
金柑の一つ二つは星になる きくよ
唇で結べば香る冬菫 彼岸太
行きすぎてそれと確かむ弟切草 鈴子
流れ星確かなものは幽かなり 圭子
満月へ落羽根ひゆつと飛ばしけり 秋沙
鍵穴のよく見ゆるなり星月夜 伊都子
白桔梗こころ決めたるとき開く 菫
骨壷の骨の冷めざる良夜かな 茂
秋彼岸どこかで雨戸を閉めてゐる まさ子
月涼し昭和の階段ぎしと鳴る 早苗
里山の故郷に似て仙人草 惠美子
秋出水否といふ神をらぬらし 蒼
第4号 峻帯抄 2021年2月1日発行。
銀帯集同人作品より
晩年や現顔なる浮寝鳥 きくよ
梟の目玉に負けず睨みあふ 彼岸太
みづうみを辷る月光無音なり 鈴子
終戦日白いノートは白きまま 圭子
蟷螂を手中にしたるさびしさよ 秋沙
落としたらこはれる心竜の玉 伊都子
水澄むを見てゐる赤き橋の上 まさ子
あふぎみて月は俯く研師かな 茂
底紅や梯子あるなら降りてゆく 夏子
どんぐりのかたき思考の色は青 蒼
藍帯集会員作品より
釣り人のそびら触れゐる冬茜 昭子
朴の葉のばさりと秋を落としけり 健
燈火親し侍の世にまつしぐら 美代子
木犀の一樹に雀睦み合ふ 浩子
梨園の売切れ札の風に揺る 志代子
大屋根に狐でさうや曼珠沙華 陽子
天賞の厚物咲かせ大工老ゆ 輝子
にがうりの万葉仮名のゆれの蔓 煥子
追はれたきところまで跳ぶ飛蝗かな 好雄
蓑虫の籍なき軒にゆれてをり のり子
令和6年、同人会員約70人が参加しています。